



吸引力、機能性、操作性、全て網羅したルンバの頂点とも言えるモデル
iRobot Roomba sシリーズ – s9+は2020年2月にルンバ最上位モデルとして発売され、一躍話題になりました。
形状はD字型へとモデルチェンジされ、従来の円形モデルでは行き渡らなかった部屋の隅などへの清掃を得意としています。またクリーンベースとダストボックスの形状も大きく変わり、衛生的で簡単なお手入れが可能な設計になりました。
さらにモードは3種類から選択可能で、自在に操作ができる「カスタム」、ルンバの課題であった静かな清掃を実現した「静音クリーン」、600シリーズ比40倍の吸引力を誇る「徹底的に清掃」があります。
価格は相応に186,780 円と決断するには勇気が必要な高級モデルですが、買って不満や損はないであろうトップクラスの実力を持つのがこのiRobot Roomba sシリーズ – s9+です。
D字型へ大幅なモデルチェンジ、さらにクリーンベースやダストボックスも進化
今回iRobot Roomba sシリーズ – s9+で一番の話題になったのが、本体・ダストボックス・クリーンベースの大幅な形状変更です。
まずルンバ本体においては、従来まで当たり前だった円形から一部直線になったD字型になりました。
またサイドブラシは従来の3本であったのに対し5本に増加した上に、ゴム製デュアルアクションブラシは30%も長くなり、今までルンバが苦手としていた部屋の隅などの角部分を徹底的に綺麗にしてくれることが魅力です。
またダストボックスも以前の側面から抜き取る形状と異なり、底面が大きく開いて外しやすく洗いやすい構造になり衛生的です。
さらにクリーンベースは接続部の開口が大きくなってダストボックスとの密着度が向上し、これにより微細なほこりなどアレルゲン物質を99%クリーンベース内部に封じ込めてくれます。
iRobot Roomba sシリーズ – s9+では清掃力、手入れのしやすさ、また衛生面で優れた形状へと進化したことで快適な暮らしの手助けを行ってくれます。
3種のモードで操作性◎静音モードが初搭載されたほか力強いパワーブーストも
iRobot Roomba sシリーズ – s9+で初搭載の機能として、「カスタム」「静音クリーン」「徹底的に清掃」の3種類から走行パターンを選ぶというものがあります。
こちらは専用アプリiRobot HOMEと接続することで簡単に行えます。
- カスタムモード
高度ナビゲーションシステムによるマップ作製からエリア指定はj7+/j7などにも付いていますが、大きく異なるのは細部まで指示が行えるという点。清掃力を微調整することが可能で、時間帯やゴミの状況に応じてカーソルを動かすことで吸引力を選ぶことができます。
また指定した部屋を清掃する回数まで選択できるため、自分好みに合わせてルンバを操作することが可能になりました。
- 静音クリーンモード
こちらは今まで稼働音が大きさに悪いレビューが目立ってきたルンバに、初めて音量対策が成された機能です。最低限のモーター稼働でルンバが動作するため、個人差はあるものの静かになることは嬉しいポイントです。またこのモードで稼働していると連続で120分バッテリーが持つので、長く使用することができます。
しかし注意点もあり、うたわれている600シリーズ比40倍の吸引力というのはこのモードでは実現できません。ですから、吸引力が少し落ちても静かに清掃したいという場合には最適です。
- 徹底的に清掃モード
600シリーズ比40倍の吸引力というのは、このモードを使用している時のパワーになります。とにかくパワフルで、吸引力を最大に清掃するのが特徴であり強みです。
しかしこちらにも欠点はあり、最大のまま使用し続けているとバッテリーは最大60分弱しか持ちません。




また稼働音はかなりうるさいと感じるユーザーが多く、一般的な掃除機よりもうるさいとの声もあり、使用時の時間帯などによっては騒音トラブルになりかねませんので注意が必要です。それでも使用する場合は、細心の注意を払うべきモードです。
さらなる新機能も続々追加、パワーブーストに加え3Dセンサーシステム
ハイスペックな従来モデル980にのみ搭載されていたカーペットブーストは、その名の通りカーペットを検知すると自動で吸引力を引き上げてくれるという機能でした。それ以降搭載モデルはありませんでしたが、この度iRobot Roomba sシリーズ – s9+にて名を変え復活しました。
それが「パワーブースト」という機能で、中身は従来と同じくカーペットなどの上では吸引力が自動で上がります。元々人気のある機能だったため、この復活には嬉しい声が多く見られています。
また新たなシステムとして3Dセンサーが搭載されていました。ルンバ前方2か所に赤外線が内蔵、その光射でマップを立体的に測定してくれます。
センサーは非常に高性能で、1cm程度の高さの物体でも検知してくれ、障害物や壁に近づくと低速走行に切り替わる仕組みになっています。ルンバは障害物があると避けるのではなくゆっくり当たりながら走行することが基本ですので、このシステムで衝撃を最小限にしてくれるのです。
しかしこの機能にもデメリットはあり、赤外線センサーは暗闇に弱いため昼間と夜間で清掃の出来に違いが生じるケースもあります。よって何事も過信せず、部屋の状況を整えておくことがベストと言えます。
高機能ゆえに歴代1番の高額で、ルンバの敷居はまだまだ高い
上述したように様々な最新技術と改良を経て誕生したiRobot Roomba sシリーズ – s9+ですが、気になるのが価格設定です。これは今までのルンバでもやはりネックになっていたことで、スペックが上がれば上がるほどに比例して価格も高くなってしまいます。
以下で現行モデルの価格を比較しました。
s9+ | j7+ | j7 | i3+ | i3 | e5 | 693 |
---|---|---|---|---|---|---|
186,780円 | 129,800円 | 99,800円 | 79,800円 | 49,800円 | 39,800円 | 39,800円 |
以上から分かるように、現行モデルではiRobot Roomba sシリーズ – s9+が一番の高値で販売されています。安いものでは40,000円以下で買えてしまうモデルもあり、その分スペックは落ちますが手軽感があります。比べてs9+はこれほどまでの機能を揃えているため仕方のない事ではありますが、やはり手を出しにくい一番のポイントになってしまいます。
選ぶ際のポイントとして搭載された機能をじっくりと見比べ、必要なものとそうでないものを割り出すことが大切です。




まとめ:iRobot Roomba sシリーズ – s9+
iRobot Roomba sシリーズ – s9+は価格が高い分、歴代1位におよぶ高性能なルンバです。
独自のD字型の形状やパワーアップしたブラシなどが、部屋の隅々までゴミを逃さずキャッチしてくれます。
詳細な設定が可能で、ユーザーの希望に寄り添った思い通りの清掃パターンを実現してくれることは今までにはありませんでした。
またモーターが大きく改良されたおかげで、最大時の吸引力もトップであることに加えてパワーブーストも復活しました。
嬉しい機能が詰まった現行品最上位モデルであるiRobot Roomba sシリーズ – s9+は購入に大きな決断が必要ですが、おそらく満足させてくれる1品であることは間違いありません。
重さ | 約4.0kg |
本体サイズ | 幅31.2cm・高さ8.9cm |
クリーンベースサイズ | 幅31cm・高さ49cm |
充電時間 | 約3時間 |
連続稼働時間 | 最大120分(静音クリーンモード時) |